中村屋サロン美術館は年2回程度の特別展と、年数回のコレクションを中心とした展示を実施いたします。

【開催中の展覧会】

企画展示(2023年9月13日~12月3日)


《をなご》 1910年
株式会社 中村屋蔵

戸張孤雁の芸術展

1882(明治15)年に東京に生まれた戸張孤雁は、中村屋サロンのメンバーの一人です。
その中心的存在であった彫刻家 荻原守衛の親友でした。
1910年に急逝した荻原を相馬黒光とともに看取り、その後は荻原の粘土を貰い受けて、本格的に彫刻制作を行っています。
本展は戸張の彫刻作品とともに、デッサン、挿絵、版画、絵画を一堂に会することにより、45歳でこの世を去った戸張の美術界における功績を再確認するものです。

基本情報

会期
2023年9月13日(水)~2023年12月3日(日)
前期:9/13(水)~10/22(日)
後期:10/25(水)~12/3(日)
主催/会場
中村屋サロン美術館
特別協力
公益財団法人 碌山美術館、愛知県美術館
東京国立近代美術館、公益財団法人 日本美術院
開館時間
10:30~18:00(最終入館17:40まで)
休館日
毎週火曜日、10月23日(月)
入館料
500円
 ※高校生以下無料(高校生は学生証をご呈示ください)
 ※障害者手帳ご呈示のお客様および同伴者1名は無料
 ※リピート割引有り(会期中に当企画展の半券提示で200円割引)

みどころ【展示室1】彫刻

戸張孤雁は、後に彫刻家となる荻原守衛とニューヨークで知り合って親友となりました。
帰国後も荻原と深く親交を結びます。新宿の荻原のアトリエや、荻原が毎日のように通って
来ていた新宿中村屋にも出入りするようになった戸張は、1910年に急逝した荻原を看取った
後、荻原が残した粘土を貰い受け、太平洋画会研究所の彫塑部に入って本格的に彫刻制作
を始めました。戸張最後の彫刻制作の年となった1924年に作られた 《淵》 《煌めく嫉妬》
《海女》 には、戸張芸術の確かな煌めきが感じられるでしょう。
<主な展示作品>

《淵》1924年
東京国立近代美術館蔵

《煌めく嫉妬》1924年
公益財団法人 碌山美術館蔵

《虚無》1920年
公益財団法人 碌山美術館蔵

【展示室2】絵画・挿絵・木版画

彫刻家として知られる戸張孤雁ですが、様々な顔を持っています。 絵を描くことを好んでいた戸張は、1901年に渡米しました。海景画家のウィリアム・トロスト・ リチャーズの学僕となり、ニューヨークのメカニック・インスティテュートやナショナル・アカデミー で挿絵、洋画を学びます。1906年に結核を病んで帰国しましたが、翌年、木下尚江や徳富 蘆花の挿絵を描いています。そして1908年に洋風挿絵研究会を設立し、陰影を活かした写実 的な挿絵を広めようとしました。 また、1912年頃より創作版画の制作を始め、創作版画とは絵画の複製ではなく、木版の特徴 を生かした芸術としての版画を目指します。浮世絵のように絵師、彫師、摺師の3人で行う工程 を基本的には作家ひとりで行う、自刻自刷の作品です。1918年には山本鼎や織田一麿らと 日本創作版画協会を設立し、後に日本版画協会に引き継がれました。
<主な展示作品>

《自画像》1901-06年
公益財団法人 碌山美術館蔵

《千住大橋の雨》1913年
東京国立近代美術館蔵

《卓にふせる(221)》
愛知県美術館蔵

《雪の日やあれも人の子樽拾い》
愛知県美術館蔵

《玉乗り》1914年
東京国立近代美術館蔵

《十二階》
愛知県美術館蔵

イベント

●ギャラリートーク動画配信

戸張孤雁の彫刻作品とともに、デッサン、挿絵、版画、絵画を一堂に会し、46歳で
この世を去った戸張の美術界における功績について、当館学芸員 太田美喜子が解説します。
第1回 : 2023年9月13日(水) AM10:30~配信予定
第2回 : 2023年10月25日(水) AM10:30~配信予定


ギャラリートーク

ギャラリートーク

●中村屋サロン美術館 開館9周年記念

10月29日、おかげさまで中村屋サロン美術館は開館9周年を迎えます。日頃の皆様への感謝とともに、開館9周年を記念致しましてイベント開催日にご入館された方へ、当館オリジナル「月餅」をプレゼント!

開催日:2023年10月29日(日)
※上記プレゼント企画は、10月29日(日) 一日限りをもちまして終了とさせて頂きます。
※詳しくは当館ホームページのイベント案内をご覧ください。



【開催予定の展覧会】

コレクション展示(2023年12月16日~2024年2月18日)


《女》 1910年(1978年鋳造)

中村屋サロン

明治末から大正、昭和初期にかけて、新宿中村屋に多くの芸術家・文化人たちが集いました。
「コレクション展示 中村屋サロン」では、新宿中村屋にゆかりのある芸術家たちの作品を中心に、所蔵作品をご紹介しています。

基本情報

会期
2023年12月16日(土)~2024年2月18日(日)
会場
中村屋サロン美術館
開館時間
10:30~18:00(最終入館17:40まで)
休館日
毎週火曜日 および 年末年始
 ※年末年始は、2023.12/26(火)~2023.1/3(水)を休館
入館料
300円
 ※高校生以下無料(高校生は学生証をご呈示ください)
 ※障害者手帳ご呈示のお客様および同伴者1名は無料

みどころ

中村屋サロンの中心人物である荻原守衛(碌山)の彫刻作品や、荻原とアメリカ留学
時代に知り合った親友 高村光太郎、また中村屋裏のアトリエで創作活動を行っていた
中村彝、柳敬助の絵画等をご紹介します。

主な展示作品

荻原守衛(碌山)

《灰皿》(1927年頃鋳造)

《香炉》1909年頃

《坑夫》1907年(1954年鋳造)

中村 彝

《小女》1914年

《花と果実》1917年頃

《麦藁帽子の自画像》1911年

荻原守衛(碌山)

日本近代美術史に名を刻む「中村屋サロン」の中心人物、
彫刻家 荻原守衛(碌山)。「日本近代彫刻の父」とも呼ば
れる荻原は渡洋して研鑽をつみ、日本人で初めてロダン
に学び1908年に帰国しました。絶作《女》は、後に日本近
代彫刻として初めて石膏原型が重要文化財に指定されて
います。荻原は、中村屋創業者の妻 黒光への許されない
愛に苦しみながら制作に打ち込み、1910年3月に《女》の
原型を完成させましたが、4月20日の夜に吐血し、荻原は
中村屋の居間で黒光らに看取られ、30才で死去しました。


荻原守衛(碌山)1910年(明治43年)
新宿のアトリエ・オブリヴィオン(忘却庵)にて

動画配信

2023.12.16(水) 10:30~配信予定
当館ホームページ 新着情報よりアクセスし、ぜひご視聴ください♪



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