かりんとう

かりんとうの起源

かりんとうは"小麦粉に砂糖を加え油で揚げ、外側に煮溶かした黒砂糖や白砂糖をかけた"お菓子です。そのかりんとうの誕生は、8世紀ごろに遣唐使によって中国から渡来した油揚げ菓子が発達したという説や、中国人によって16世紀ごろ長崎に来たという説、また同じ頃、ポルトガルからカステラなどと一緒に伝わったという説などがあります。

日本に広まったのは1875(明治8)年ごろ。浅草・仲見世の店が小麦粉を揚げた棒状のものに黒砂糖をつけたかりんとうを売り出し評判となり下町一帯に広まって、日本を代表する駄菓子になりました。

駄菓子から高級菓子へ

昔のかりんとう(営業案内)

中村屋がかりんとうを売り出したのは1919(大正8)年ごろ、袋詰めの形態で店頭に陳列されました。当時のかりんとうは小麦粉を油で揚げ、黒砂糖をまぶしただけの固く油っこい商品がほとんどでしたが、中村屋のそれは最高の原材料と確かな腕で、口当たりがやわらかくサクッと仕上がった独特の歯ごたえが特長でした。揚げたてにたっぷり黒砂糖をかける方式を開発して、油と黒砂糖をなじませることに成功しました。このことで"駄菓子"であるかりんとうが高級商品となり、進物にも使われるようになりました。

現在のかりんとう

当時は店の品格を落とすという理由で、他の和菓子屋では袋詰めを売りませんでした。しかし中村屋は、袋物として売りながら駄菓子であるかりんとうの高級化に成功したのです。

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