歯ごたえ良く、くせのない鶏

鶏は1927(昭和2)年からのこだわり

山梨に設けられた
中村屋シャモ飼育場

「よく肥えた最上の肉を納入して下さい」。カリー発売当時、創業者 相馬愛蔵は鳥屋(鶏肉取扱業者)にこうお願いしていました。それは、「カレーの根本となるのは、よいバタアとよい鶏だけ。~(鶏は)年とつても堅すぎてダメ。若すぎても味が出ない。これを骨のまゝ煮るから味が出る」というボースの鶏へのこだわりによるものでした。

しかし、ある時お客さまからのご指摘で、納入されている鶏の中に一部最優良品ではなく普通品が混じっていることが判ります。この事件をきっかけに鳥屋任せを改めて、「自分の手で飼育すれば完全なものが得られる」との信念のもと、山梨に飼育場を設けました。飼育した品種はシャモ。シャモ肉は身が引き締まった絶品で、当時の中村屋のカリーには欠かせないものでした。

煮崩れしない、うまみのある鶏を求めて

シャモが天然記念物に指定された後、様々な鶏を試し鶏種の交配を行って、カリーに適する鶏を作り出しました。

現在、残念ながら中村屋直営の飼育場は無くなりました。しかし、特定の契約農家にお願いし、飼育日数、飼料、環境など、中村屋指定の方法で飼育しています。よく運動をし、良い餌を食べて育った鶏は、胸、ももがよく発達し、ゼラチン質も豊富。骨から出るゼラチンはカリーソースに旨み、とろみをつけ、臭みが無く身が引き締まった肉は煮ても風味・食感を失いません。

ちなみに、よく「中村屋のカレーのお肉はどこの部位を使っているの?」というご質問をいただきます。答えは「もも肉も胸肉も使っています」。中村屋では鶏を部位ではなく1羽まるごと買っています。カリーのお肉を「ももだけがいい」「胸肉だけがいい」と言ったら農家さんは残りの肉の処分で大変困ってしまいます。中村屋のカリーが成り立つのは農業があってのこと。農家さんと共においしい中村屋のカリーを作っていきたいと思っています。

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