香り立つスパイス

スパイスはインド人の命

「カレー粉も日本で賣つてるのうまくないナ。中村屋は印度から取り寄せるからホントの味ある」。 昭和2年、カリー発売当時、中村屋にカリーを伝えたラス・ビハリ・ボースはスパイスをインドから輸入して使用していました。 それも、その日使う分だけをお店に持っていき、 あとは家で保管するという念のいれよう。 また、ボースは「(カレー粉は)古くなると香りぬけてダメなア。 カレー粉は十四種類位まじつてゐるが、印度では皆別々にあつて、自分の好きなやうまぜる。 カレーは印度の調味料、日本の醤油と同じですヨ」とも語っています。 インド人であるボースにとって、スパイスは祖国そのもの、命そのものだったのです。

カリー作りに20数種のスパイスを使用

現在、中村屋のインドカリーは、20数種のスパイスを使って作っています。

その代表がカレー粉。中村屋独自のブレンドのカレー粉を2種類使用し、調理過程では2回に分けて投入しています。1回目は具材に下味をつけるため具材を炒める段階で、2回目はスパイスの香りをつけるため、できあがり直前に加えます。これを合計すると1人前で約7gものカレー粉を使用していることになります。通常のカレーはスパイスの合計重量が5グラム程度。中村屋のカリーは、カレー粉の他にスターター(炒め始め)やフィニッシュ(仕上げ)でもスパイスを使用しているので、かなりスパイシーなものであることがお分かりになるかと思います。

しかし、それでいてスパイス個々の味が尖らず調和を保っている。香り高くスパイシーなカリーに仕上がっています。

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