中村屋サロン美術館は年2回程度の特別展と、年数回のコレクションを中心とした展示を実施いたします。

コレクション展示(2023年12月16日~2024年2月18日)


《女》 1910年(1978年鋳造)

中村屋サロン

明治末から大正、昭和初期にかけて、新宿中村屋に多くの芸術家・文化人たちが集いました。
「コレクション展示 中村屋サロン」では、新宿中村屋にゆかりのある芸術家たちの作品を中心に、所蔵作品をご紹介しています。

基本情報

会期
2023年12月16日(土)~2024年2月18日(日)
会場
中村屋サロン美術館
開館時間
10:30~18:00(最終入館17:40まで)
休館日
毎週火曜日 および 年末年始
 ※年末年始は、2023.12/26(火)~2023.1/3(水)を休館
入館料
300円
 ※高校生以下無料(高校生は学生証をご呈示ください)
 ※障害者手帳ご呈示のお客様および同伴者1名は無料

みどころ

中村屋サロンの中心人物である荻原守衛(碌山)の彫刻作品や、荻原とアメリカ留学
時代に知り合った親友 高村光太郎、また中村屋裏のアトリエで創作活動を行っていた
中村彝、柳敬助の絵画等をご紹介します。

主な展示作品

荻原守衛(碌山)

《灰皿》(1927年頃鋳造)

《香炉》1909年頃

《坑夫》1907年(1954年鋳造)

中村 彝

《小女》1914年

《花と果実》1917年頃

《麦藁帽子の自画像》1911年

荻原守衛(碌山)

日本近代美術史に名を刻む「中村屋サロン」の中心人物、
彫刻家 荻原守衛(碌山)。「日本近代彫刻の父」とも呼ば
れる荻原は渡洋して研鑽をつみ、日本人で初めてロダン
に学び1908年に帰国しました。絶作《女》は、後に日本近
代彫刻として初めて石膏原型が重要文化財に指定されて
います。荻原は、中村屋創業者の妻 黒光への許されない
愛に苦しみながら制作に打ち込み、1910年3月に《女》の
原型を完成させましたが、4月20日の夜に吐血し、荻原は
中村屋の居間で黒光らに看取られ、30才で死去しました。


荻原守衛(碌山)1910年(明治43年)
新宿のアトリエ・オブリヴィオン(忘却庵)にて

動画配信



企画展示(2023年9月13日~12月3日)


《をなご》 1910年
株式会社 中村屋蔵

戸張孤雁の芸術展

1882(明治15)年に東京に生まれた戸張孤雁は、中村屋サロンのメンバーの一人です。
その中心的存在であった彫刻家 荻原守衛の親友でした。
1910年に急逝した荻原を相馬黒光とともに看取り、その後は荻原の粘土を貰い受けて、本格的に彫刻制作を行っています。
本展は戸張の彫刻作品とともに、デッサン、挿絵、版画、絵画を一堂に会することにより、45歳でこの世を去った戸張の美術界における功績を再確認するものです。

基本情報

会期
2023年9月13日(水)~2023年12月3日(日)
前期:9/13(水)~10/22(日)
後期:10/25(水)~12/3(日)
主催/会場
中村屋サロン美術館
特別協力
公益財団法人 碌山美術館、愛知県美術館
東京国立近代美術館、公益財団法人 日本美術院
開館時間
10:30~18:00(最終入館17:40まで)
休館日
毎週火曜日、10月23日(月)
入館料
500円
 ※高校生以下無料(高校生は学生証をご呈示ください)
 ※障害者手帳ご呈示のお客様および同伴者1名は無料
 ※リピート割引有り(会期中に当企画展の半券提示で200円割引)

みどころ【展示室1】彫刻

戸張孤雁は、後に彫刻家となる荻原守衛とニューヨークで知り合って親友となりました。
帰国後も荻原と深く親交を結びます。新宿の荻原のアトリエや、荻原が毎日のように通って
来ていた新宿中村屋にも出入りするようになった戸張は、1910年に急逝した荻原を看取った
後、荻原が残した粘土を貰い受け、太平洋画会研究所の彫塑部に入って本格的に彫刻制作
を始めました。戸張最後の彫刻制作の年となった1924年に作られた 《淵》 《煌めく嫉妬》
《海女》 には、戸張芸術の確かな煌めきが感じられるでしょう。
<主な展示作品>

《淵》1924年
東京国立近代美術館蔵

《煌めく嫉妬》1924年
公益財団法人 碌山美術館蔵

《虚無》1920年
公益財団法人 碌山美術館蔵

【展示室2】絵画・挿絵・木版画

彫刻家として知られる戸張孤雁ですが、様々な顔を持っています。 絵を描くことを好んでいた戸張は、1901年に渡米しました。海景画家のウィリアム・トロスト・ リチャーズの学僕となり、ニューヨークのメカニック・インスティテュートやナショナル・アカデミー で挿絵、洋画を学びます。1906年に結核を病んで帰国しましたが、翌年、木下尚江や徳富 蘆花の挿絵を描いています。そして1908年に洋風挿絵研究会を設立し、陰影を活かした写実 的な挿絵を広めようとしました。 また、1912年頃より創作版画の制作を始め、創作版画とは絵画の複製ではなく、木版の特徴 を生かした芸術としての版画を目指します。浮世絵のように絵師、彫師、摺師の3人で行う工程 を基本的には作家ひとりで行う、自刻自刷の作品です。1918年には山本鼎や織田一麿らと 日本創作版画協会を設立し、後に日本版画協会に引き継がれました。
<主な展示作品>

《自画像》1901-06年
公益財団法人 碌山美術館蔵

《千住大橋の雨》1913年
東京国立近代美術館蔵

《卓にふせる(221)》
愛知県美術館蔵

《雪の日やあれも人の子樽拾い》
愛知県美術館蔵

《玉乗り》1914年
東京国立近代美術館蔵

《十二階》
愛知県美術館蔵

イベント

●ギャラリートーク動画配信

戸張孤雁の彫刻作品とともに、デッサン、挿絵、版画、絵画を一堂に会し、46歳で
この世を去った戸張の美術界における功績について、当館学芸員 太田美喜子が解説します。
第1回 : 2023年9月13日(水) AM10:30~配信予定
第2回 : 2023年10月25日(水) AM10:30~配信予定


ギャラリートーク

ギャラリートーク

●中村屋サロン美術館 開館9周年記念

10月29日、おかげさまで中村屋サロン美術館は開館9周年を迎えます。日頃の皆様への感謝とともに、開館9周年を記念致しましてイベント開催日にご入館された方へ、当館オリジナル「月餅」をプレゼント!

開催日:2023年10月29日(日)
※上記プレゼント企画は、10月29日(日) 一日限りをもちまして終了とさせて頂きます。
※詳しくは当館ホームページのイベント案内をご覧ください。



コレクション展示(2023年7月19日~9月3日)


荻原守衛の追悼会での相馬一家と中村屋サロンの若き芸術家たち

中村屋サロン

明治末から大正、昭和初期にかけて、新宿中村屋に多くの芸術家・文化人たちが集いました。
「コレクション展示 中村屋サロン」では、新宿中村屋にゆかりのある芸術家たちの作品を中心に、所蔵作品をご紹介しています。

基本情報

会期
2023年7月19日(水)~2023年9月3日(日)
会場
中村屋サロン美術館
開館時間
10:30~18:00(最終入館17:40まで)
休館日
毎週火曜日
入館料
300円
 ※高校生以下無料(高校生は学生証をご呈示ください)
 ※障害者手帳ご呈示のお客様および同伴者1名は無料

みどころ【展示室1】

中村屋の商品のパッケージ原画等をご紹介します。
羊羹のパッケージとなった棟方志功の版画や、會津八一揮毫の菓子のラベル等をお楽しみください。
<主な展示作品>

會津八一 《菓子銘の題字》

棟方志功 《極上煉羊羹》掛紙

棟方志功 《極上純栗羊羹》掛紙

みどころ【展示室2】

中村屋裏のアトリエで創作活動を行っていた画家の中村彝、柳敬助などの作品をご紹介します。 また、碌山とアメリカ留学時代に知り合った親友 高村光太郎の作品も展示いたします。
<主な展示作品>

中村彝《少女習作》1914年

柳 敬助《編物(禮子像)未完》
1920年頃

高村光太郎《自画像》1913年

動画配信

全体紹介2023.7/19(水)AM10:30~予定

全体紹介

コレクション展示(2023年6月7日~2023年7月9日)


《女》の制作に取り組む荻原

中村屋サロン

明治末期から大正、昭和初期にかけて、新宿中村屋に多くの芸術家・文化人たちが集いました。 「コレクション展示 中村屋サロン」では、新宿中村屋にゆかりのある芸術家たちの作品を中心に、所蔵作品をご紹介しています。

基本情報

会期
2023年6月7日(水)~2023年7月9日(日)
会場
中村屋サロン美術館
開館時間
10:30~18:00(最終入館17:40まで)
休館日
毎週火曜日
入館料
300円
※高校生以下無料(高校生は学生証をご呈示ください)
※障害者手帳ご呈示のお客様および同伴者1名は無料

みどころ

中村屋に出入りしていた彫刻家 荻原守衛(碌山)や中村屋裏のアトリエで創作活動を行っていた画家の中村彝、柳敬助などの作品をご紹介します。
また、碌山とアメリカ留学時代に知り合った親友 高村光太郎の作品も展示いたします。

主な展示作品

中村 彝 《小女》 1914年

中村 彝 《小女》 1914年

柳 敬助 《花》 1912年

高村光太郎 《自画像》 1913年

同時開催

【展示室1】第16回 會津八一の歌を映す 秋艸道人賞・写真コンテスト 受賞作品展示

 新潟市會津八一記念館主催の、會津八一の歌をモチーフにした写真コンテスト(審査委員長:浅井愼平氏)の入賞・入選作品を展示します。 八一の短歌のイメージを自由に切り取った作品約30点を展示いたします。

八一の短歌をモチーフに心に響く心象風景をお楽しみください。

秋艸道人賞 (最高賞) 受賞作品

秋艸道人賞トロフィー
《天つ乙女》原像
前 文化庁長官 宮田亮平氏作

動画配信

全体紹介2023.6/7(水) AM10:30配信予定

全体紹介
会場:展示室1・2

企画展示(2023年4月19日~5月28日)



彫刻家 三宅一樹

中村屋サロン アーティストリレー第5回 三宅一樹 みやけ いっき 展 「拝啓、碌山殿。」
 

「中村屋サロン アーティストリレー」は、2018年より始めた作家の紹介でつなぐ展覧会です。
第5回は、前回展示作家の現代美術家 富田菜摘さんからバトンを渡された、彫刻家の三宅一樹さんです。 三宅さんは、敬愛する荻原守衛(碌山)がフランスで制作した彫刻作品《坑夫》を、当館へ足を運び様々な角度でデッサンし模刻することで、 碌山作品の真髄を理解しようと試みました。それら碌山研究の成果と、心を込めて御神木を刻んだ神像彫刻シリーズやYOGAシリーズ、聖猫シリーズなどが一堂に会します。
 三宅作品が織りなす神聖な世界に包まれるでしょう。



■中村屋サロン アーティストリレーとは ・・・

「中村屋サロン アーティストリレー」は芸術家の紹介でつなぐ展覧会です。
明治末期から昭和初期にかけて新宿中村屋で形成された芸術家・文化人達のつながりであった「中村屋サロン」を、アーティストの紹介によるリレーという形で今に表すとともに、 新進芸術家に発表の場を提供します。毎年2名に参加頂き、それぞれ次年に展示するアーティストを指名して頂くことで、「中村屋サロン」のようにつながりを広げていきます。


基本情報

会期
2023年4月19日(水)~5月28日(日)
会場
中村屋サロン美術館 展示室1・2
開館時間
10:30~18:00(最終入館17:40まで)
休館日
毎週火曜日
入館料
300円
※高校生以下無料(学生証をご呈示ください)
※障害者手帳ご呈示のお客様および同伴者1名は無料
※リピート割引有り(会期中に当企画展の半券呈示で100円割引)

主な展示作品

《碌山研究ー小坑夫》2022年

《Holy Cat-聖猫高脚杯》2018年

《YOGAー化現軸》 2018年

《貴船水神》 2011年 (部分)

《艶詞見返り》 つやことばみかえ 1995年



< 作家コメント >

「拝啓、碌山殿。あなたが切り開いた彫刻の道を、私はしっかりと継承し、
歩めておりますでしょうか。」
日本近代彫刻のパイオニア・荻原守衛(碌山)。その彼を支え、活動の拠点
であった中村屋サロン。この聖地のような特別な場にて展覧会のバトンを
受けた私は、現代彫刻家として、敬愛する碌山をあらためて深く考える好
機をいただいた気が致しました。
今では誰もが知る碌山の代表作《坑夫》。パリの美術学校の彫刻アトリエ
で制作されたその塑像に、単なる習作以上の大きな芸術性を看取したのが
高村光太郎でした。2人のその歴史的な背景を脳裏に浮かべながら、私は
《坑夫》をデッサンし、模刻を試みました。彫刻真髄を求めた碌山の、その真摯な制作姿勢と情熱を、
ほんの一欠片でも追体験したかったのです。彫刻の本質を、現代彫刻家である私はどのように咀嚼し、
追随し、展開してきているのかを、この聖地・中村屋サロン美術館での個展にて、自問したいと思いま
した。
この碌山研究の試みが、また次世代へと、正統派彫刻のバトンを繋げられることを夢見ています。

三宅一樹

動画配信

ギャラリートーク2023.4/19(水) AM10:30配信予定
アトリエ訪問アトリエ「榧乃舎」訪問
2023.4/24(月) AM10:30配信予定

ギャラリートーク

アトリエ「榧乃舎」訪問

会場:展示室1・2

企画展示(2023年3月1日~4月9日)



美術作家 宮森敬子
photo:Julie Lembargert

中村屋サロン アーティストリレー第5回   宮森敬子 みやもり けいこ 「記憶の海、Roseのプライド」

「中村屋サロン アーティストリレー」は、2018年より始めた作家の紹介でつなぐ展覧会です。
第5回は、前回展示作家の美術作家 安部典子さんからバトンを渡された、美術作家の宮森敬子さんです。 本展では、日系人として戦争を経験した御祖母様の人生に思いを馳せ、5つのテーマに分けて展観します。
 宮森さんが作り出す幻想的な風景から、私たちはどのようなメッセージを受け取ることになるでしょうか。



■中村屋サロン アーティストリレーとは ・・・

「中村屋サロン アーティストリレー」は芸術家の紹介でつなぐ展覧会です。
明治末期から昭和初期にかけて新宿中村屋で形成された芸術家・文化人達のつながりであった「中村屋サロン」を、アーティストの紹介によるリレーという形で今に表すとともに、 新進芸術家に発表の場を提供します。毎年2名に参加頂き、それぞれ次年に展示するアーティストを指名して頂くことで、「中村屋サロン」のようにつながりを広げていきます。


基本情報

会期
2023年3月1日(水)~4月9日(日)
会場
中村屋サロン美術館 展示室1・2
開館時間
10:30~18:00(最終入館17:40まで)
休館日
毎週火曜日、3/22(水) (但し3/21(火)は開館)
入館料
300円
※高校生以下無料(学生証をご呈示ください)
※障害者手帳ご呈示のお客様および同伴者1名は無料
※リピート割引有り(会期中に当企画展の半券呈示で100円割引)

主な展示作品

《森の泉》1993年
 Photo:中川達彦

《祖母マツノの肖像》2021年
 Photo:中川達彦

《TIME Day1-Day420(10.11.2021-12.4.2022)》
2021-22年
 Photo:中川達彦

《サントリーウイスキー》2022年
 Photo:中川達彦

《誕生Ⅰ(長女)》、《誕生Ⅱ(次女)》2022年
 Photo:中川達彦



< 作家コメント >

今年98歳になる父の部屋にあった、私の母方の祖母の籐椅子を数年前に
譲り受けた。日系2世アメリカ人としてハワイに生まれた祖母は、親の都
合で17歳の時に日本に渡り、同時通訳として働き、結婚して3人の子を持
った。ところが長女(私の母)が7つの時、日本とアメリカは戦争を始める。
敗戦後、渋谷の自宅に引きこもって過ごした彼女は、いつも穏やかで、
戦争の不条理について語ることはなかった。そんな彼女が、実はアメリカ
のパスポートを更新し続けていたことを知ったとき、一日中籐椅子に座っ
て過ごしていた晩年の彼女の目に映っていた風景は、一体どのようなもの
だったのかを想像するようになった。
展覧会のタイトル『記憶の海、Roseのプライド』の“Rose”は、愛や誇り
を表すバラのRoseであると同時に、祖母のように日系2世であるが故に人
生を翻弄された「東京ローズ」のRoseにもかけている。お嬢様育ちでアル
コール中毒症に悩むことになる、昭和生まれの生真面目な母。軍人教育を
受け、戦後は高度経済成長に尽くした大正生まれの父。戦後に生まれ、アメリカ人と家族になった私。
昭和を生きた家族それぞれの物語が、流れ着く「記憶の海」。
あらゆる運命と折り合いをつけ、愛を手放さずに生き抜く意志としてのRoseに出会うことができるだろ
うか。それぞれのRoseを自分の中に感じることは、葛藤の時代の希望ともなり得るのではないだろうか。

宮森敬子

動画配信

ギャラリートーク2023.3/1(水) AM10:30配信予定
コラボレーション動画2023.3/27(月) AM10:30配信予定
対談宮森敬子×港千尋(写真家)
2023.4/3(月) AM10:30配信予定

ギャラリートーク

コラボレーション動画

対談

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