中華まん
中華まんの起源
中華まんじゅうの起源は、中国の三国時代(220年頃)、名将・諸葛孔明が作らせたことで知られています。孔明は南蛮征伐の帰途、川を渡ろうとしましたが、風雨のため川が氾濫し渡れません。川を静めるためには、人頭を水神にささげ祭るという信仰に従わなければならないのですが、戦いで失われた人命をこれ以上損うことができなかった孔明は、それに代わるものとして小麦粉を水で練って皮を作り、羊と牛の肉を包んで、人頭に似せたまんじゅうを作りました。これを水中に投じたところ、見事に風雨が静まったという話が残っています。このまんじゅうが肉まんの始まりとされています。
「天下一品支那饅頭」の発売
中村屋での中華まんの発売は1927(昭和2)年、「天下一品支那饅頭」という名称で売られ、肉入りが1個6銭、餡入りが4銭でした(当時は肉まん、あんまんとは言いませんでした)。発売のきっかけは創業者 相馬愛蔵・黒光夫妻の中国への旅行です。
1925(大正14)年、相馬夫妻は中国へ旅行に出かけ、そこで初めて包子(パオズ)というものを味わいます。この時食べた包子は中国人向けの味付けで、夫妻にとっては油っぽくてしつこく、決しておいしいものではありませんでした。しかし、日本人好みのあっさりとした味付けに仕立て直せばきっと売れると確信した愛蔵は帰国後、改良にとりかかります。
生地の改良に随分苦労したようですが、中国人の職人を雇いノウハウを吸収し、1927(昭和2)年に発売します。それまではごく一部の中華料理店でしか食べることができなかった中華まんじゅうは、これ以降、一般の人にも親しまれるようになったのです。
伝統の味を残しつつ、チャレンジ
現在、さまざまな種類の中華まんを販売していますが、やはり主力は、肉まん、あんまん。生地は自社酵母と長時間発酵法を用いており、独自の風味としっかりとした食感が楽しめます。
更に、時代と共に変化するお客さまのニーズや嗜好にあわせて毎年改良を行っています。最近では個包装のまま電子レンジで温められる中華まんも販売しています。