月餅

月餅の由来

月餅はご存知のとおり中国のお菓子です。その起源については諸説ありますが、ここではその中の一つをご紹介します。

明の時代、蒙古から伝来したラマ教が盛んになるにつれ、ラマ僧の勢力が強くなり社会に弊害が出てきました。そこで、ある人々がラマ僧追放決起の回章を饅頭の中に入れ同志に配布し、8月15日に実行、ラマ僧を追放したのです。しかし、冠婚葬祭のすべてをラマ教の儀式で行っていた習慣はなかなか消えず、今更ながら彼らをしのぶようになります。そして回章を入れた饅頭の故事を記念して、十五夜を迎えるたびにこの菓子を作り、贈答するようになりました。名月にちなんでこの菓子を"月餅"と称したということです。(相馬愛蔵『一商人として』)

現在、中国では陰暦8月15日の中秋節の時期、大々的に月餅が発売されます。日本のバレンタインデーさながらの盛り上がりで、友人への贈り物に使われたり、種々の果物・野菜と一緒に供え、一家の円満を祈ったりする習慣があります。

中村屋の"月餅"の誕生

昭和9年頃の月餅は
餡と木実の2種類

大正14年、百貨店の新宿出店で打撃を受けた中村屋。創業者夫妻は中国に視察旅行へ行き、その打開策のヒントを見つけます。この旅行で日本人のラマ僧に出会い、中国では8月15日の夜"月餅"と称する菓子を月前に供えるとともに、親しい人たちで盛んに贈答が行われるという話を聞きます。何となく<日本の風習に似ているな>と感じた創業者は、この菓子を日本への土産にしようと決めました。

持ち帰った"月餅"。しかし日本人の口にはなかなか合いません。それに、愛蔵には「模倣を排す」「独創性」という考えがあったので、「中国の月餅」を「和菓子としての月餅」に仕立てることにしました。

ポイントは①油っこさを除く②皮の口当たりを良くする③形態美をつける。改良を重ね発売したのが昭和2年でした。

発売当時は中国での風習にちなみ、8月(1ヵ月間)だけの限定発売でしたが、中華まんの好評と共に月餅の愛好者も増え、一年を通して発売することとなりました。

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